的確なコーチングと正確なフィードが持ち味のMF大森征之。
高卒後に入団したサンフレッチェ広島では出場機会に恵まれず1年で退団となるが、その後に在籍したJFLサガン鳥栖で頭角を現し、翌年には名古屋グランパスエイトへ移籍。
名古屋ではセンターバック、サイドバック、ボランチなど多くのポジションを務め、守備の要として活躍。11年に渡って在籍した。
セットプレー時も攻めあがることはなく守備に専念したため、フィールドプレーヤーとしてJリーグ史上3人目となるリーグ戦200試合出場無得点という珍しい記録を残した。
大森征之のJリーグ入り前
大森は1976年に埼玉県浦和市（現さいたま市）に生まれた。
小学校でサッカーを始め、さいたま市立三室中学校サッカー部で活躍。
中学時代の１学年上に桜井直人（浦和レッズ）がいる。
中学卒業後、大宮東高校へ進学。
同学年に玉田真人（サンフレッチェ広島）、増田功作（ヴェルディ川崎）、１学年上に桜井直人（浦和レッズ）、１学年下に佐藤悠介（名古屋グランパス）がいる。
高校時代はボランチとして活躍。
1年次の選手権埼玉県予選の決勝では浅利悟（FC東京）、室井市衛（鹿島アントラーズ）のいる武南と対戦するも惜しくも敗れ、選手権出場は叶わなかった。
3年次にはキャプテンとしてチームを牽引。
ボランチとしてチームの核となり、選手権の埼玉県予選決勝では金沢浄、宮沢克行のいる武南を2-1で破り出場権を獲得。
全国選手権では3回戦まで進むも、熱田眞のいる帝京に0-3で敗れている。
また、同年にはインターハイにも出場。1回戦で米子工業を5-1で下すも、2回戦で鹿児島実業に1-2で惜敗した。
大森は高校卒業後の1995年、サンフレッチェ広島へ入団。
同期入団に久保竜彦、大木勉、玉田真人、山根巌、吉村光示、西田吉洋、萩野英明、三浦和俊がいる。
大森征之のJリーグ入り後
1995年、サンフレッチェに入団するも出場機会がないまま1年で退団。
1996年はJFLの鳥栖フューチャーズへ移籍。しかしチームは深刻な経営難のため同年をもって解散。
翌年は鳥栖フューチャーズの受け皿となるチームとして発足したサガン鳥栖へ在籍した。
1997年、サガン鳥栖ではシーズンを通してレギュラーとして活躍。
ボランチやセンターバックとしてリーグ戦26試合に出場した。
この活躍を受け、1998年には名古屋グランパスエイトへ移籍。
入団後2年間は出場機会に恵まれなかったが、2000年にジョアン・カルロスが監督に就任するとレギュラーに定着。
3バックの際は飯島寿久、大岩剛とDFラインを形成。4バックの際は大岩剛とセンターを組み、サイドに石川康、小川誠一が入る布陣でDFの中心として活躍。
同年はリーグ戦29試合に出場した。
2001年からは背番号4を背負う。
正確なフィードと後方からの的確なコーチングでチームをまとめた。
この年はサイドバックも経験し、ユーティリティ性を発揮。リーグ戦25試合に出場した。
2002年はベルデニック監督のもとで3バックの右に定着。
元ユーゴスラビア代表パナディッチ、元U23代表の古賀正紘とタッグを組み、リーグ戦27試合に出場した。
2003年もネルシーニョ監督の信頼を得て、不動のDFリーダーとしてリーグ戦29試合に出場。
最終節の清水エスパルス戦を除き、全試合に出場した。
2004年は展開力を生かし、シーズン序盤はボランチとして活躍。2ndステージからは再びセンターバックを守るも、膝を負傷したことにより出場機会を減らした。
2005年は2月3日の練習中に右ひざ前十字靱帯を断裂。全治8ヶ月と診断され長期離脱。
同年10月15日第27節川崎フロンターレ戦で復帰し、以降はボランチやセンターバックとしてプレーしリーグ戦6試合に出場した。
2006年はフェルフォーセン監督のもと、完全復帰を果たす。
サイドバックやセンターバックとしてリーグ戦32試合に出場。
2007年もDFの中心としてチームトップのリーグ戦31試合に出場。
シーズンオフには10年在籍した名古屋からFC東京への移籍が報道されるも、慰留を受け残留。
2008年はシーズン前に古傷の膝を痛め、シーズン中の復帰は叶わずこの年をもって現役を引退した。
大森征之の引退後と現在
大森は現役引退後、イタリアのプロスポーツにおいて90％以上のシェアを誇る「SIXTUS」のテーピングの輸入を手掛ける株式会社GALTOSを設立し実業家として活動。
2016年からは名古屋のフロントに入り、統括部強化・補強担当に就任。
その後、チーム統括部スポーツダイレクターに就任し、2021年まで務めた。
2022年からは東京都世田谷区を拠点に活動しているジュニアサッカークラブ「FC.GIUSTI(ジュスティ）世田谷」のテクニカルアドバイザーに就任している。
