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近藤直也の現役時代、生い立ちやプレースタイルに迫る【第446回】

対人の強さとクレバーな守備が持ち味のDF近藤直也。

ゲームを読む力に優れ、高い戦術理解度でDFラインを統率した。

ユース時代から育った柏レイソルには14年間在籍し、守備の要として活躍。2011年には柏レイソルのJ1優勝を達成し、近藤自身もベストイレブンに選出される活躍を見せた。

2012年にはザッケローニ監督に見いだされ念願の日本代表に選出された。

近藤直也のJリーグ入り前


近藤は1983年に栃木県宇都宮市に生まれた。

幼稚園の時にサッカーを始め、つくば市立竹園西小学校に進学。

つくば市立竹園東中学校進学後はサッカー部でキャプテンとして活躍。

進学校である茨城県立竹園高等学校へ入学後、柏レイソルユースに入団した。
ユースの同期に宇野沢祐次、1学年下に大谷秀和、2学年下に菅沼実がいる。

ユース時代はそれまでMFとしてプレーしていたが、高校2年次にDFに転向しレギュラーを掴む。
高校3年次のJユースカップでは背番号4を背負いベスト4進出に貢献した。

高校卒業後、柏レイソルトップチームに昇格。
同期入団に永田充、宇野沢祐次がいる。

近藤直也のJリーグ入り後

2002年にトップ昇格を果たすも、この年は公式戦の出場はなかった。

2003年3月22日開幕戦のFC東京戦でベンチ入りを果たすと、第2節鹿島アントラーズ戦でJリーグ初出場。
薩川了洋、永田充と3バックを形成した。
2ndステージ第8節ジュビロ磐田戦では試合終了間際に値千金の同点弾を決め、Jリーグ初ゴールをマーク。
この年はリーグ戦15試合に出場し1ゴールを記録した。
また、U-20日本代表に選出され、2003 FIFAワールドユース選手権やトゥーロン国際大会に出場。

2004年にはレギュラーを掴み、U-23日本代表に選出。
アテネオリンピックアジア最終予選レバノン戦では先発出場を果たし2-1での勝利に貢献した。
しかし、層の厚い選手たちの牙城を崩せず、本大会への選出はならなかった。

2005年にはグロインペイン症候群を発症。また右膝前十字じんたい断裂の大怪我で全治約8ヶ月という重傷を負い、長期欠場を経験。
この影響もあって柏レイソルは年間順位16位に沈み、J2で3位のヴァンフォーレ甲府との入れ替え戦の末、J2降格となった。

2007年、柏レイソルは1年でJ1に戻る。
近藤も好調をキープし、5月には日本代表候補に選出されたが、負傷のために離脱することになった。

2008年3月20日、ヤマザキナビスコカップ第1節コンサドーレ札幌戦で左膝内側側副じんたいを損傷。この年はリーグ戦5試合の出場に留まった。

2009年は怪我から復帰するも、柏は勝ちきれない試合が続き、2度目のJ2降格を味わった。

2010年は守備の要として活躍。
出場停止を除くリーグ戦全34試合にフル出場し、J2での優勝を果たし柏の1年でのJ1復帰の立役者となった。

2011年もこの好調をキープしリーグ戦31試合に出場。
Jリーグ史上初となる昇格初年度でのJ1優勝を達成し、近藤はJリーグベストイレブンに初選出された。

2012年はこの安定した活躍もあって日本代表に選出。
2月24日のキリンチャレンジカップ・アイスランド戦で後半途中から出場を果たした。
10月には肉離れで離脱するも、リーグ戦26試合に出場した。

2013年もDFリーダーとしてリーグ戦31試合に出場。
2014年はシーズン途中に怪我で離脱し、リーグ戦18試合の出場にとどまった。

2015年はエドゥアルド、鈴木大輔のサブに回ることが多く、リーグ戦7試合の出場に留まると、この年をもってユースから在籍した柏を退団することになった。

2016年はJ2のジェフ千葉へ移籍。
キャプテンとして最終ラインからチームを鼓舞し、安定したラインコントロールを見せ、最終ラインを支えた。
ジェフには在籍3年間で110試合に出場し、DFながら8ゴールを決めた。

2019年にはJ2東京ヴェルディへ移籍・
35歳ながらジェフでのプレーを評価されキャプテンに就任。
加入初年度は若狭大志や平智広とともにDFラインを形成し、守備の中心として存在感を発揮した。

しかし2020年は神戸からレンタル移籍でヴェルディに復帰した高橋祥平が起用されたため、17試合の出場に留まると、この年限りで現役を引退した。

近藤直也の引退後と現在

近藤は引退後、DO SOCCER CLUBを運営。

その他にも、土浦市荒川沖にてフットサルコート「Dofootballpark」の運営や、体幹トレーニング教室『みんなDE体幹トレーニング』の監修を行っている。

じん帯断裂という大怪我を負いながらも、19年間というプロ生活を送った近藤直也。

2度のJ2降格や、2度のJ1昇格。そしてJ1優勝、日本代表選出と、浮き沈みの激しい現役生活だったが、所属したチームでは常に中心選手としてチームを支えた。

リーグ戦通算401試合という偉大な記録も流石だが、冷静かつ的確な闘将、近藤直也がチームに残した功績は大きい。

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