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岡山一成の現役時代、生い立ちやプレースタイルに迫る【第109回】

打点の高いヘディングを武器にFWからDFまでこなすオールラウンダー、岡山一成。

熱い魂のこもったプレーだけでなく、明るくユニークな性格はサポーターから絶大な支持を受け、ホームスタジアム勝利後に行われる「岡山劇場」は多くの人を楽しませた。

39歳までに渡り歩いたチームは10チーム。

そのどのチームでも岡山はプレーでチームを盛り上げ、盛大なパフォーマンスでサポーターを沸かせてきた。

3チームをJ1昇格へ導いた昇格請負人、岡山一成に迫る。

岡山一成のプロ入り前


岡山は1978年に大阪府堺市南区に生まれた。

新桧台小学校2年生の時に兄の影響でサッカーを始める。

小学校時代はFWとして堺市選抜チームに選出。

岡山のひとつ下に稲本潤一も所属していた。

赤坂台中学校時代に身長が伸び、MFで活躍した岡山はサッカーの強豪である初芝橋本高校へ進学する。

高校2年生の時に一学年上の吉原宏太(元日本代表。ガンバ大阪などで活躍)との2トップで高校選手権に出場する。

岡山は既に183cmあった身長を武器にベスト4まで勝ち進んだ。

選手権では中村俊輔、北嶋秀朗、南雄太とともに優秀選手にも選ばれる。

特に中村俊輔との出会いは強烈で、同い年とは思えないほど技術の差を痛感し、当初大学進学を考えていたが、プロサッカー選手への道を模索した。

高校卒業後、岡山は韓国の社会人チームである韓国国民銀行、油公らの練習生になりチャンスを伺う。

またテレビ番組「ASAYAN」という番組内の企画「Jリーガーオーディション」に積極的に参加。

出演していたラモス瑠偉からも一目置かれる存在だったが、途中で横浜マリノスから誘いを受ける。

マリノスとの練習生契約がまとまった岡山は1996年8月に横浜マリノスへ入団した。

岡山一成のプロ入り後

マリノスに入団した岡山は、Jリーグ初ゴールから3試合連続でゴールをマーク。

未完成ながらも荒々しく無骨なプレースタイルはサポーターからの支持を受けるも、当時のマリノスには城彰二や元スペイン代表のサリナスがいた為、出場機会に恵まれずこのシーズンはリーグ戦8試合に出場し3得点に留まった。

1999年シーズン後半からはJ2の大宮アルディージャへレンタル移籍した。

2000年にマリノスに復帰し、DFとしてプレーするが出場機会は限られ、2001年にはセレッソ大阪へ。

セレッソ大阪ではリーグ戦28試合に出場し3得点を挙げるもセレッソがJ2へ降格。岡山自身も戦力外通告を受ける。

2002年からはJ2の川崎フロンターレへ。

ここで石崎監督から見出され、センターバックとしてプレー。

2004年のJ1昇格に貢献した。

2005年には当時J2のアビスパ福岡へレンタル移籍。フォワードとしても活躍し、J1昇格を果たした。

2006年は柏レイソルへ。

ここで開幕から2試合連続ゴールを挙げ、攻撃力の健在振りをアピール。

チーム最多タイとなる45試合に出場し、チーム2位の10ゴールを挙げるなど大黒柱としてJ1昇格に貢献した。

柏レイソルの顔になりつつあった岡山一成は07年、柏に完全移籍。

しかし、岡山と同じディフェンダーの古賀正紘の加入で出場機会が減ると、石崎信弘監督の勧めもあって、8月にベカルタ仙台へレンタル移籍をする。

2009年には韓国Kリーグの浦項スティーラースに練習生として参加し見事に契約を結ぶ。

同年8月22日の全北現代戦でKリーグデビュー、8月26日にピースカップでFCソウル戦に途中交代でDFながらFWとして出場しKリーグ初得点を決めた。

12月にUAEで開催されたFIFAクラブワールドカップでは2試合に出場。

3位決定戦のアトランテFC戦ではゲームキャプテンとして先発出場し、チームの3位入賞に貢献した。

2011年の6月からはコンサドーレ札幌でプレーして、2013年からはJFLの奈良クラブに在籍。

2017年シーズン終了後に契約満了に伴い奈良クラブを退団した。

岡山一成の引退後と現在

岡山は引退後、2019年より鈴鹿アンリミテッドFCのコーチ兼フィジカルコーチに就任した。

国内外、カテゴリーを問わずに10チームを渡り歩いたサッカー人生。

川崎フロンターレ、アビスパ福岡、柏レイソルの3チームをJ1昇格に導き、試合後にはメガホンを持ったパフォーマンス「岡山劇場」で人気を博した。

試合に出られない時もサポーターと積極的に交流。熱い盛り上げ役としてもピッチ内外で活躍した。

サポーターの持つ旗を手渡されると、それを振り回しながらスタジアムを一周し、お立ち台で盛り上げ、客席に向けて叫ぶ。

地域密着型のチーム作りをするJリーグにおいて、サービス精神が低い選手は少なくない。

しかし岡山一成のようにいつでも熱く盛り上げ、サポーターと一体になれる選手はどれほどいるだろうか。

岡山一成のおかげでもっとサッカーが好きになり、サポーターになった人も多いだろう。

岡山一成の今後のサッカー人生に注目したい。

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