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藤田優人の現役時代、生い立ちやプレースタイルに迫る【第478回】

球際の強さと豊富な運動量を生かして、ボランチやサイドバックとして活躍した藤田優人。

国見高校時代はボランチやセンターバックとしてプレーし、全国制覇を達成。
明治大学ではキャプテンを務め、関東リーグ制覇に貢献した。

プロ入り後にはサイドバックに転向し、無尽蔵のスタミナと左右の正確なキックを武器に活躍した。

2013年のナビスコカップ決勝では、激しい接触によりじん帯を損傷する大怪我を追うも、痛みを耐えてプレーを続け、劇的なクロスにより工藤壮人の決勝ゴールをアシスト。

柏レイソルのタイトル獲得の立役者となった。

藤田優人のJリーグ入り前


藤田は1986年に大分県大分市に生まれた。

幼稚園の時にサッカーを始め、大分市立明野東小学校に入学後に大分トリニータのスクールに通い始めた。
小学校2年生の時に地元の明治北SSCに入団。3学年下に清武弘嗣がいる。
小学校6年次に全日本少年サッカー大会に出場し、柏レイソルジュニアを下し、全国3位に入った。

大分市立明野中学校進学後はクラブチームであるカティオーラFCへ入団。
ナイキプレミアカップ九州大会、日本クラブジュニアユースサッカー選手権U-15九州大会で優勝を果たし全国大会に出場した。

中学卒業後、高校選手権を連覇中で名将小嶺忠敏監督のいる強豪の国見高校へ進学。
同学年に城後寿(アビスパ福岡)、渡邉千真(横浜Fマリノス)、1学年上に関憲太郎(ベガルタ仙台)、兵藤慎剛(横浜Fマリノス)、中村北斗(アビスパ福岡)、平山相太(FC東京)がいる。

高校時代はボランチや3バックの1角として活躍。
高校2年次には背番号11を背負い、インターハイと選手権の2冠を達成。
3年次でもインターハイで優勝、選手権では3位に入った。

高校卒業後は小嶺忠敏監督の勧めで明治大学へ進学。
同学年に長友佑都(FC東京)、林陵平(東京ヴェルディ)、杉本裕之(ザスパ草津)、橋本晃司(名古屋グランパス)がいる。

大学でもボランチやセンターバックとしてプレー。
大学2年次には東京ヴェルディとの練習試合で活躍。その姿がヴェルディの柱谷哲二監督の目に止まり、その後ヴェルディの練習に参加するようになった。
大学4年次にはキャプテンとしてチームを牽引し、同校の43年ぶりとなる関東大学リーグ優勝に貢献。
同年の天皇杯でも初戦でJFLのソニー仙台を3-2で、続く京都サンガを1-0を下す。
ベスト16入りをかけた清水エスパルス戦では3-3の激闘からPK戦に突入するも、惜しくも敗れている。
この快進撃は明大旋風と呼ばれ、大きな注目を集めた。

高校卒業後、東京ヴェルディへ入団する。
同期入団に林陵平、富所悠、和田拓也、那須川将大がいる。

藤田優人のJリーグ入り後


藤田は入団後、ボランチからサイドバックに転向。
入団1年目ながら即戦力として躍動。出場停止をのぞくリーグ戦全試合に出場をする活躍を見せた。

飛躍が期待された2年目だったが、ヴェルディの経済的事情から横浜Fマリノスへ移籍。
開幕戦のFC東京戦でスタメンデビューを果たすも、波戸康広とのポジション争いに敗れ、同年はリーグ戦5試合の出場に留まった。

2011年には岸野靖之監督からオファーを受け、J2横浜FCへ移籍。
横浜FCではボランチとしても活躍。同年4月23日第8節サガン鳥栖戦のアディショナルタイムに待望のJリーグ初ゴールをマークした。
リーグ戦34試合に出場し、能力の高さを証明すると翌年にはJ1柏レイソルへ移籍した。

柏レイソルでは日本代表の酒井宏樹との激しいポジション争いが待っており序盤はサブに回る機会が多かったが、酒井がハノーファーへ移籍をすると出場機会が増える。
しかし2013年は韓国代表のキム・チャンスが加入したこともあり、出場機会が減少。
同年のナビスコカップ決勝の浦和レッズとの試合では工藤壮人の決勝ゴールをアシストする活躍を見せ、タイトル獲得に貢献。
しかしこの試合で右膝前十字じん帯を損傷し、長期欠場を余儀なくされた。

2016年にはサガン鳥栖へ移籍。
マッシモ・フィッカデンティ監督のもとで開幕戦から右サイドバックとしてレギュラーに定着。
豊富な運動量を生かした攻め上がりで鳥栖のアグレッシブな攻撃のアクセントとなった。
同年はリーグ戦32試合に出場して1ゴールをマークした。

2017年はマリノスから小林祐三が加入したため、出場機会は減少したが、ボランチとしても活躍しリーグ戦23試合に出場した。

2019年は右ひざの負傷もありリーグ戦8試合の出場に留まるとこの年をもって4シーズン在籍した鳥栖を退団。

2020年はJ2ヴァンフォーレ甲府へ移籍。
甲府では右サイドバックやボランチとして活躍。
33歳ながら衰えぬ運動量でチームを支え、リーグ戦21試合に出場した。

2020年シーズン終了後に現役引退を表明した。

藤田優人の引退後と現在

藤田は引退後、2021年より柏レイソルU-18のコーチに就任。

U-18 Bチームの監督として後進の育成を行っている。

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